五行説の「土」を知ろう!
2020.12.25 |
前回のコラムでお話させて頂いた五行説。
本日は五行説の「土」と呼ばれるものにフォーカスを当ててお話ししていきたいと思います。
■「土」の五行説のなかでの働き
「土」は、「受け入れる」ことと「生かす」ことを表しています。
五行説は、「火」は燃えて「灰」と「土」を生み、「土」から「金属」が生まれる。これは、相生(相手を助け、育てる)関係と言われています。
そして、「土」は「水」を溶かす。
これは、相克(お互いを抑制する)関係と言われています。
■五行式体表でみた「土」
漢方・薬膳の世界では様々なものを当てはめた五行色体表を使って、治療・診断に生かします。五行式体表で「土」と表されるものは以下となります。
・五臓→脾 ・五腑→大腸 ・五季→土用 ・五味→甘
・五色→黄 ・五管→口 ・五方→中央 ・五液→よだれ
−「秋」は「脾臓」が弱るから気を付けましょう。
−「脾」が弱った場合は「黄色」ものと「甘」味があるものが良いでしょう。
と様々な組織器官の働きや季節、食材などを含め、体の不調と向き合っていきます。
■「脾」の不調に向き合う
では、この考えを利用して「脾」の不調について向き合ってみましょう。
「脾」を特に労るべき季節は「土用」と言われています。
土用ってよく聞きますが、いつのことなの?と言うと、
春夏秋冬、それぞれの季節の終わりの約18日間のことを言います。
「脾」は食べ物から得た栄養で、「気」「血」「水」を作り出し、全身に運ぶ役割をし、老廃物を体外に排出させます。
「脾」が弱ってくると、消化不良や食欲不振、胃もたれ、下痢などが起こります。
また、「脾」と「口」が経路でつながっているため、
胃が悪いと「口」に吹き出物が出来たり、唇の色のつやが無くなったりすることも。
そんなときは!「黄色(乳白色)」のものと「甘」味があるものが助けとなってくれます。
じゃがいも、サツマイモなどのイモ類や米
大豆やカボチャ、とうもろこしなどの黄色(乳白色)の食材
黒糖や果物の甘い食材。
これらをバランスよくとることがポイント!
まだまだ奥の深い五行説の考え。次回は「金」にフォーカスを当てていきたいと思います。
皆様の健やかな日々に少しでもお役に立てたら嬉しいです。
参考:淡交社 「漢方と薬膳の基礎知識」
主婦の友社 「はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材便利帳」