共同親権について
2019.11.11 |
こんにちは。
C-ens法律事務所事務局です。
法務省は離婚後も父母の両方が親権を持つ「共同親権」の導入について検討する研究会を年内に設置すると発表されましたね。
本日は「共同親権」について考えていきたいと思います。
「 共同親権 」とは―
婚姻時は、両親で持っていた親権。
離婚が決まると、両親のどちらか一方が親権を持つというのが現在の日本の法律で定められています。
しかし、海外の先進国では両親のどちらも共に親権を持つ共同親権が主流となっています。
共同親権となったとしても、子どもと一緒に暮らせるのは一方の親のみとなります。
現在、日本の親権問題について―
子がいる家庭の離婚が決まると、両親で親権をめぐり子供の奪い合いが始まります。
そうしたなかで子供の連れ去り、親子の引き離しなどが容認されています。
2人の間にやってきた宝物なのに“奪い合い”や“連れ去り”と表現することに違和感を感じるのは私だけでしょうか・・・
このような表現になってしまうのが、今の日本の現状です。
親権を失った親は養育に関わりにくくなり、我が子との交流が出来なくなるという問題も多くなっています。
「 共同親権 」のメリット・デメリット―
このような日本の現状の中で共同親権にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
共同親権を持つことで両親が子供の成長に関わることができます。
引き離される親子は減っていくのではないでしょうか。
離婚時の親権トラブルなども避けられるでしょう。
夫婦では上手くいかなかったが子供を育てるうえでのパートナーとしてうまくいっている
という声もあるそうです。
また養育にかかる費用も、養育に参加することで自発的に払おうという気持ちになる方も多いそうです。
しかし、夫婦によって離婚理由も様々ですよね。
身体的DV、精神的DVなど・・・
やっとの思いで別れを選択した方々の話もよく聞きます。
共同親権の制度でそのような相手と関わらなければいけないことに苦痛に感じてしまうことも・・
また、共同親権の場合、両親に教育方針を決める権利が認められます。
そこでズレが生じるともめごとが起こる可能性もあります。
子どもの気持ちは―
共同親権のメリット・デメリットをお話ししましたが、両親が感じることを中心にお話ししました。
一番重要なこと、子どもの気持ちです。子供は両親の離婚に過敏に反応します。
それはそうです。両親には仲良く、そして両親と一緒にいたい。
子供はそう願うものです。しかし夫婦もうまく折り合いがつかないこと、家族でいられなくなることもあります。
子供は受け入れていくしかない。その中で子供の気持ちをしっかり考えること。忘れてはいけないですね。
共同親権が導入されることで両親が離婚したことで抱える子どもの不安を軽減させることができます。
両親が離婚しても面会交流も自然な流れで実施でき、両親の愛を感じることができるのではないでしょうか。
また、離婚時に起きる親権トラブルのせいで自分のせいで両親は不仲になっていると感じてしまう子供も多くはないそうです。
自分のせいで両親は離婚したと勘違いする子供も・・・
このような思いをさせるのであれば、親権トラブルはなるべく避けたいですよね。
その反面、共同親権によって子供がストレスを感じてしまうことも・・・
共同親権が導入されている欧米諸国では、子供が頻繁に別々に住んでる両親の家を行き来する生活も多いようです。
そのことで子供は一定の落ち着く場所や時間がなく、大きなストレスを感じることとなってしまいます。
また、別々に暮らす両親の教育方針の違いに混乱したり、居場所が分からなくなってしまうケースも・・・
未来のために―
離婚した夫婦が子供を育てるパートナーとしてどうあるべきかは、それぞれ異なってくるでしょう。
そのなかで、日本でも導入されるかもしれない共同親権。
様々な問題もあると思いますが、導入されるのであれば子供たちが育ちやすい環境になるよう願っております。
共同親権が導入されていない現在も、共同養育を支援する機関もありますので、そのような機関を利用し、共同親権、共同養育について知っていくのも良いですね。