五行説の「火」を知ろう!
2020.12.01 |
前回のコラムでお話させて頂いた五行説。
本日は五行説の「火」と呼ばれるものにフォーカスを当ててお話ししていきたいと思います。
■「火」の五行説のなかでの働き
「火」は、「炎上」「湿熱」「上昇」などの様子を表しています。
五行説は、「木」が燃えて「火」を生み、「火」は燃えて灰と「土」が生まれる。これは、相生(相手を助け、育てる)関係と言われています。
そして、「火」は「金属」を溶かす。
これは、相克(お互いを抑制する)関係と言われています。
■五行式体表でみた「火」
漢方・薬膳の世界では様々なものを当てはめた五行色体表を使って、治療・診断に生かします。五行式体表で「火」と表されるものは以下となります。
・五臓→心 ・五腑→小腸 ・五季→夏 ・五味→苦
・五色→赤 ・五管→舌 ・五方→南 ・五液→汗
−「夏」は「心臓」が弱るから気を付けましょう。
−「心」が弱った場合は「赤い」ものと「苦」味があるものが良いでしょう。
と様々な組織器官の働きや季節、食材などを含め、体の不調と向き合っていきます。
■「心」の不調に向き合う
では、この考えを利用して「心」の不調について向き合ってみましょう。
「心」を特に労るべき季節は「夏」と言われています。
「心」は神経や意識、思考などをつかさどる臓器であり、「夏」は他の季節より
血液循環などが活発になるため「心」の働きが必要となり、同時に負担もかかってきます。
「心」は、精神、思考、意識をコントロールしており、「心」の状態が悪くなると心拍の乱れや動悸が生じることも。
また、「心」は「舌」と経路でつながっているため、
「舌」を見ると、「心」の状態が分かると言われています。
舌先が痛くなったり、口内炎ができたり、味が分かりにくくなるなどの症状には
気をつけましょう。
そんなときは!「赤」いものと「苦」味があるものが助けとなってくれます。
赤身肉やレバー、人参などの赤い食材
ピーマン、ゴーヤなどの苦みのある食材
これらをバランスよくとることがポイント!
まだまだ奥の深い五行説の考え。次回は「土」にフォーカスを当てていきたいと思います。
皆様の健やかな日々に少しでもお役に立てたら嬉しいです。
参考:淡交社 「漢方と薬膳の基礎知識」
主婦の友社 「はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材便利帳」